Saturday, March 15, 2014

ココプ

私のように海外に住み、ましてや家にテレビもないような生活をしていると、東北のニュースなどはほとんど耳に入ってきませんが、
3年経った今も困難な暮らしに直面されている被災地の人々が、1日も早く平穏な暮らしを取り戻せるようにと心から願わずにはいられません。

きっと、日本に暮らす方々はもちろんのこと、海外で暮らす日本人は皆同じ思いを抱えていると思うのですが、
毎日の生活の中で、自分のことでいっぱいいっぱいになってしまい、それ以外のことはとても考えられないということがあります。
そんな中で、被災もしていない自分が、余裕があるときにだけ思い出したように、まじめに復興とか原発とかについて考えるのは偽善じゃないかと、後ろめたい気持ちになります。
そして繊細な話題だと思うからこそ、余計この問題について日常的に触れる機会はどんどん減ってしまいます。

震災が起きたとき、情報源として真っ先に頼ったインターンネットには、正確な情報と同じように間違った情報も流れ、私たちは余計「間違った情報」に敏感になっています。
特に福島の問題については、今でも現地に住む人々の平穏を心から望んでいるからこそ、誰かを傷つけてはいけないという気持ちから、正確な情報でないと語れないという雰囲気があります。
でも、そんな雰囲気が、震災について語る機会を失わせ、被災地をますます孤立化させているのかもしれません。


「絆」、「節電」、「原発0」などという言葉もブームで過ぎ去ってしまうんではないか、そうならない為にどうすればいいのか。
今がよければいい、というのではなく、私たちの子供、またその子供の世代のことも考えて、今しなければならないことは何なのか。
これから100年後、私はもうこの世にいないけれど、その頃生きている子供たちが、普通に勉強をし、恋をし、大人になっていく世の中を、私たちはきちんと残せるのだろうか。

そんなことを思っていたら、同じように思っている方がプノンペンにもいらっしゃったのです。
そして、ひとつのプロジェクトになりました。その名は「心をつなぐプロジェクト」
シェムリアップでは可愛く「ココプ」と略して呼んでいます。


この「ココプ」を通じ、たくさんの気持ちが集まったら、みんなで真剣にそのことを話せるのではないか、
あの日、世界中の人が日本を支えてくれたことに、照れずに感謝を伝えられるんじゃないか。
そんな大げさじゃなくてもいい、ただいつも隣にいてくれる人に「いつもありがとう」と伝えるだけでも十分なのかもしれない。

悲しいかな、私たちはこういう機会がないと、素直になれないもの。だからこそ今、改めて心からありがとうと伝えたい。
家族がいる、友達がいる、支えてくれる多くの人がいることに、心から感謝。
悲しいことがあっても、今日もちゃんと太陽が昇り、おいしいココナッツジュースを飲める朝が訪れることに、心から感謝。



そんな感謝を伝えるきっかけ作りの手伝いをしたい、心をつなぐプロジェクト「ココプ」、
カンボジアから世界へ、きっと届くはず。
cocoro.siemreaplife.com



という独り言です。